進行管理の給料と残業事情は、業界でガラッと変わる
「進行管理って、どの業界でもあるけど、給料とか働き方って違うのかな?」
そんな疑問を持っている方、多いと思います。
僕自身、広告業界で進行管理を20年やってきましたが、
取引先にはメーカーや製造業の進行管理の方も多く、
いろいろと話を聞いているうちに
業界によって“働き方の温度感”が全然違うなと感じてきました。
この記事では、
進行管理が多く活躍する「広告代理店」「メーカー」「製造業」の3業界について、
給料と残業時間のリアルを、僕の体感も含めて深掘りしていきます。
進行管理の給料水準は「業界の平均」に引っ張られやすい
まず大前提として、進行管理という職種の給料は、
一般的なサラリーマン水準に落ち着くことが多いです。
なぜなら、「調整・進捗管理」という立場上、
売上を直接生み出す営業職や、
最終的なクリエイティブ責任を負うディレクター・プロデューサー職と比べると、
成果が可視化されにくいため、
給与テーブルがやや控えめに設定されやすいからです。
とはいえ、どの業界で働くかによって、給料はグッと変わります。
【業界別】進行管理の年収感とその背景
僕が見聞きしてきた範囲と、実体験を踏まえると、進行管理の給料は以下のような順になります。
順位 | 業界 | 平均的な年収感 |
---|---|---|
1位 | 広告代理店 | 500〜650万円程度 |
2位 | メーカー | 450〜600万円程度 |
3位 | 製造業 | 400〜500万円程度 |
1位|広告代理店の進行管理は給料高め、でも代償アリ
広告代理店における進行管理は、
スピード・臨機応変さ・根回し力・人間関係力など、
多くのスキルが求められます。
特に大手代理店では、
代理店内の制作チームや外部スタッフ、クライアントまで多岐にわたる調整が発生するため、
仕事内容は「ただの調整役」とは一線を画すレベル。
その分、評価されやすく、年齢が少し上がれば
年収も500万円を超えることが一般的です。
ただ…
正直しんどいです。
納期も短く、夜中に修正対応、明け方に送稿、休日も気になって気が休まらない。
(最近はだいぶ時代が変わってきていますww)
20代後半〜30代前半でバリバリ働く分には刺激的ですが、
ライフステージが変わると結構キツくなってきます。
2位|メーカーは堅実に高めの年収+安定の福利厚生
メーカーの進行管理は、自社製品を扱うため、
プロジェクトスケジュールを自社でコントロールできるのが特徴。
そのため、突発的なトラブルは少なく、
事前に決まったルールで動きやすい傾向があります。
給与水準は業界内でも比較的高めで、
昇給・ボーナス・退職金など福利厚生がしっかりしているのもポイント。
僕が知っている某大手電機メーカーの進行管理の方は、
30代で600万円近くもらっている人もいます。
「安定して、そこそこ稼ぎたい」という方には、理想的な環境かもしれません。
3位|製造業の進行管理は現場寄り、給与はやや低め
製造業における進行管理は、
現場の進捗管理・人員配置・在庫確認など、
“現場を回す”タイプの仕事が中心になります。
スキルとしては泥臭いものも多く、
業務の割に給与が伸びにくい印象があります。
ただし、地元密着で転勤がない、
堅実に働けるなど、魅力もあります。
僕が以前に協業した工場の進行管理さんは、
仕事は大変そうでしたが
「給料は少ないけど、家も近くて子育てにはいい」と話していました。
【業界別】残業時間のリアル
給料も大事ですが、
働き方の“しんどさ”を左右するのは残業時間ですよね。
残業の多さを、体感ベースで並べるとこんな感じです。
順位 | 業界 | 残業の特徴 |
---|---|---|
1位 | 広告代理店 | 突発・修正・深夜作業が日常茶飯事 |
2位 | 製造業 | 現場トラブル・納期対応で巻き込まれやすい |
3位 | メーカー | 自社製品ゆえスケジュール安定・残業少なめ |
広告代理店は、夜が当たり前の世界
これは身をもって痛感していますが、
広告代理店の進行管理は「納期」に追われる日々です。
クライアントの急な修正・方向転換・確認待ちなどで夜中になることも多く、
“今日帰れるかは、クライアント次第”なんて冗談があるくらい。
たしかにお金はもらえる。
けれど、心と体がついていくかどうかが最大の課題だと思っています。
ただ、この辺もだいぶ変わってきています。
もちろん残業ありきの業界ですが、
無茶して働くという事がなくなってきているのも事実です。
製造業は“現場”に合わせた残業
工場ラインのトラブル、機械の故障、材料の遅延など、
製造現場は予定どおりにいかないことも多く、
進行管理も巻き込まれがちです。
「今日中にライン止められへんから、なんとかしろ!」
というプレッシャーに晒されることもあるようで、
気持ちの疲れが溜まりやすい印象があります。
メーカーはホワイト寄り。家庭との両立もしやすい
進行管理職としては、メーカーが一番“暮らしやすい”業界だと思います。
自社都合でスケジュールが決められるので、
余裕のある進行が組めますし、
勤務時間も守られやすい。
残業も繁忙期以外は月10時間未満、という声もちらほら聞きます。
僕の結論|進行管理を続けるなら「業界選び」が本当に大事
進行管理という仕事は、やりがいもあるし、チームに欠かせない存在です。
でも、業界によって「待遇」と「しんどさ」は驚くほど違う。
今、もし進行管理として働いていて
- 給料が低い
- 毎日終電
- プライベートがない
- 自分だけ損してる気がする
と感じているなら、
それはあなたが悪いんじゃなくて、業界が合っていないのかもしれません。
転職も視野に入れて、次の一歩を考える
僕自身、業界の人間関係や空気感に疲れた時期もありました。
でも「同じ職種でも、働く場所を変えるだけでこんなに違うんだ」と知ってからは、
見える世界が広がりました。
進行管理経験がある人は、広告・メーカー・製造業のどこにでも転職できます。
その中で、「自分に合った働き方」を見つけてほしいと思っています。

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