進行管理を苦しめる“仲良し人事”の現実|腐った組織でも成長できる人の共通点とは?

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はじめに|”仲良し人事”が進行管理を苦しめる理由

読者 広告業界・進行管理
年間100案件こなして納期遅れゼロなのに、評価はB止まり。
上司とゴルフに行っただけの人がA評価で昇進……
「頑張っても無駄なのかな」って、最近本気で思い始めてます。

仕事の成果よりも「誰と仲がいいか」「誰に気に入られているか」で評価が決まる会社があります。それが、いわゆる“仲良し人事”です。

この理不尽さを、進行管理という立場はとりわけ強く受けます。なぜなら、僕たちの仕事は数値化しにくく、成果が見えにくいからです。「問題が起きなかった」「スケジュールが回った」——その貢献は、起きなかった事故のように、評価の土俵にすら上がらない。

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この記事について:広告業界20年・進行管理経験者。仲良し人事で何度も理不尽な評価を受けた実体験をもとに、その構造・乗り越え方・次の選択肢を書きます。

仲良し人事はどこから始まるのか?

仲良し人事は、評価制度が形骸化した組織に根を張ります。評価シートは存在する。でも実態は、上司の主観で昇格・昇給が決まる。「なんとなく気が合う」「会食で盛り上がった」「ゴルフのスコアが良かった」——そういった理由が、業績評価と同等かそれ以上の重みを持つようになる。

これは、広告業界に限った話ではありません。ただ、クリエイティブという「感性」が重視される業界では、評価基準が曖昧になりやすい。「センスがある」「空気を読める」「現場の雰囲気を壊さない」——こうした主観的な評価が幅を利かせやすい土壌があります。

⚠️ 仲良し人事が広がるメカニズム
  • 上層部が「自分のやり方を肯定してくれる人」を昇進させる
  • 異を唱える人・改善提案をする人が”厄介者”として排除される
  • 人は「成果より気に入られること」に注力するようになる
  • 会議はイエスマンばかりになり、建設的な議論が消える
  • 若手も「意見を言わず愛想よくしていればいい」と学習する
  • やがてそれが会社の”文化”として定着し、変えられなくなる

一番怖いのは、「理不尽だ」と感じる感性が失われること。最初は違和感を覚えていた人も、長く在籍するうちに「これがうちのやり方」と自分を納得させるようになる。そしていつのまにか、自分が加害者側になっていく。


進行管理が特に「損をする」3つの理由

仲良し人事の被害を受けやすい職種は複数ありますが、進行管理はその中でも特に不利な立場に置かれています。

  • 1
    成果が「数字」で証明できない
    営業は売上という数値がある。デザイナーは作品という成果物がある。では進行管理は?「納期を守った」「トラブルを未然に防いだ」「誰も気づかないうちに問題を解決した」——これらは、うまくいったときほど見えなくなる成果です。問題が起きてから初めて「あの人がいないと困る」とわかる。それが進行管理の性質です。
  • 2
    「できて当たり前」と思われがち
    納品が間に合った。クライアントが怒らなかった。制作が動いている。——これらはすべて進行管理が機能していた証拠ですが、評価者の目には「普通のこと」として映ります。一方、問題が起きると即座に「誰がこの案件を担当していたんだ」と責任を問われる。うまくいっても評価されず、失敗すると槍玉に上がる。これが進行管理の立場です。
  • 3
    「地味な存在」として舞台裏に置かれやすい
    クライアントとの会食に呼ばれるのは営業。社内の称賛を浴びるのはデザイナーやコピーライター。進行管理は、プロジェクトが動いている間ずっと裏方です。人間関係の評価が重視される仲良し人事の組織では、「目立たない・愛想がない・おもしろくない」と見られやすいポジションでもあります。
進行管理の貢献が見えにくいのは、あなたの能力の問題ではなく、仕事の構造的な問題です。

体験談|僕が仲良し人事に感じた限界(実話)

📖 筆者の実体験

ある年、僕は年間100案件以上の進行を担当しました。納期遅れゼロ。予算内達成率も高い。突発的なトラブルも、ほぼすべて表面化する前に処理していた。自分でいうのもなんですが、そのとき僕は本当にフル回転で仕事をしていました。

評価期間が来て、結果を見ました。「B」。

同じ時期、上司と毎週末ゴルフに行っていた営業担当がいました。成果で言えば、僕より下の数字だった。でも彼の評価は「A」で、翌年に昇進しました。

正直に言います。あのとき、本気で「この会社にいる意味があるのか」と思いました。悔しいというよりも、やるせなかった。「頑張っても報われない」という感覚が、じわじわと体の中に広がっていくのを感じました。

でも、そこで腐りたくなかった。腐ったら、何も残らない。そう思って、考え方を変えることにしました。

💡 そのとき決めたこと

「正当に評価されないなら、自分で自分を評価しよう」

それから僕は、他人の評価軸ではなく、自分の中に”仕事の物差し”を持つようになりました。「今日、ミスをゼロにできたか」「クライアントの困りごとに先回りできたか」「次の案件に活かせる仕組みを残せたか」——会社に評価されなくても、自分の納得を最優先にする。そのスタンスに切り替えたことで、気持ちが少しずつ落ち着いてきました。

もちろん、簡単に割り切れるものではありません。でも、「報われない」と腐ってしまったら、そこから何も得られない。理不尽な環境であっても、自分の心だけは守る術を持っておくべきです。


仲良し人事の会社に自浄作用がない理由

評価する側も”仲良し”で固まっているため、現場の課題が上に届かない
「理不尽だ」と感じる感性が徐々に失われ、「これがうちのやり方」と自分を納得させるようになる
自分が評価する立場になったとき、また同じ判断を繰り返す
仲良し人事が「文化」となり、組織を内側から静かに腐らせ続ける

「社長が変われば変わる」と思いたいところですが、年功序列で上がってきた社長は、すでにその文化に染まっています。外部の目線が入らない限り、組織は変わりません。表面上は平穏でも、中身は緩慢に崩壊していく。数字では見えないダメージが、確実に積み上がっていくのです。


仲良し人事に気づいたとき、取るべき行動3ステップ

「これは仲良し人事だ」と気づいたとき、いきなり転職を決断する必要はありません。まずは次の3ステップで動くことをおすすめします。

  • 1
    自分の仕事を記録・言語化する
    まず、自分が何をやってきたかを記録しておきましょう。「担当案件数・納期達成率・トラブル解決件数・コスト削減した事例」など、数値化できるものはすべてメモしておく。これは転職活動の武器になるだけでなく、自分の仕事の価値を自分で確認するためにも必要です。評価されない環境にいると、自己評価まで下がっていく。記録がそれを防ぎます。
  • 2
    外の世界で「自分の市場価値」を確認する
    今すぐ転職しなくてもいい。でも、自分が外でどう評価されるかを知っておくことは重要です。転職サービスに登録して求人を見るだけでも、「自分のスキルが欲しいと思っている会社がある」という事実がわかります。僕自身、マスメディアンの担当者に「その経験なら紹介できる会社があります」と言われて初めて、自分の市場価値を実感しました。今の会社の評価が絶対ではないことを、外の目線で確かめておきましょう。
  • 3
    「限界ライン」を自分で決めておく
    「あと何年いたら動く」「これが起きたら転職する」という自分なりのラインを先に決めておくことが大事です。ラインがないと、ずるずると居続けてしまう。「もう少したら変わるかも」「次の評価に期待しよう」と先延ばしにし続けて、気づいたら5年10年が経っている——そういうケースを何人も見てきました。腐った組織に長くいると、感性が麻痺していきます。自分を守るためにも、ラインを設定しておきましょう。

それでも、腐った組織で成長する方法はある

腐った組織にいても、自分さえ腐らなければ成長はできます。そのためには「自分軸」を持つことが不可欠。「今日も100%出し切った」と胸を張れるなら、成長は続きます。

僕が意識したのは、誠実な関係性の中で信頼を築くことでした。媚びるのではなく、相手の仕事を助けることで感謝される。そういう信頼は、いずれ評価にもつながります。評価制度が腐っていても、人間関係の信頼は別の回路で形成されます。

そして、進行管理という立場が培うスキルは、どんな業界でも通用する普遍的なものです。

  • 無駄な会議を減らす提案力・現場の効率化を考える習慣
  • 無理なスケジュールに”No”と言える交渉力・代替案を出す力
  • 相手の立場を理解して物事を前に進める調整力・合意形成力
📖 転職先で気づいたこと

実際、僕が次の職場で評価されたのは、そうした”地味な力”でした。前職では見向きもされなかった工夫や提案が、新しい環境では「すごいですね」と言われた。それはスキルが上がったわけではなく、自分の力を正しく見てくれる人がいる場所に来ただけでした。

あなたの価値は、「場所」によって変わります。今いる環境で評価されなくても、それはあなたの実力不足ではありません。たまたま、その土壌が合っていないだけかもしれない。


【チェックリスト】転職か残留か、判断する7つの基準

以下に4つ以上YESなら、真剣に転職を検討してもいいタイミングかもしれません。

  • ?自分の仕事の成果が適正に評価されていないと感じる
  • ?評価の基準が不透明で、仲の良さで差がつく
  • ?現場の声が上に届かない・届いても無視される
  • ?優秀な人ほど辞めていく、または辞めたがっている
  • ?管理職の感覚が古く、変化に対して鈍感
  • ?「正論を言うと損をする」という空気がある
  • ?3年後も今と同じ状況が続くと思うと、気持ちが沈む
🔵 残留を検討してもいいケース
「信頼できる上司がいる」「やりたい案件に関われている」「1〜2年で状況が変わる見込みがある」——そういった理由があるなら、もう少し様子を見るのも一つの選択です。ただし、「いつか変わるかも」という根拠のない期待で居続けることは、自分のキャリアを消耗させます。

おわりに|自分の感性を信じよう

「仲良し人事」は、個人の努力では変えられない構造です。「自分を変える」ことと「環境を変える」ことは、まったく別の話です。自分の仕事の質を上げることは自分でできる。でも評価制度を変えることは、一人の進行管理にはできない。20年やってきて、そこだけは正直に言えます。

だからこそ、自分の感性を信じてください。「あれ?」と違和感を覚えた自分を、無視しないで。

そして、「仲良し人事が嫌だから転職」は、理由として十分です。正当に評価される環境を選ぶことは、逃げでも甘えでもない。自分の価値を活かせる場所を探す、当たり前のキャリアの判断です。

進行管理という立場は、社内で孤立しがちだけど、全体を見渡せる唯一のポジションでもある。その目で、腐った構造を見抜けたなら、あなたはもう一歩先に進める。あなたのキャリアは、あなたのものです。

✅ この記事のまとめ
  • 仲良し人事は「評価制度の形骸化」から始まり、やがて組織の文化になる
  • 進行管理は特に損をしやすい——数値化しにくく、目立ちにくく、「できて当たり前」と思われる
  • 仲良し人事に気づいたら「記録→市場価値確認→限界ラインの設定」の3ステップで動く
  • 腐った組織でも、自分さえ腐らなければ成長できる——自分軸を持ち、誠実に信頼を築く
  • あなたの価値は「場所」によって変わる。今の評価が全てではない
  • チェックリスト4つ以上YESなら、転職を真剣に検討していい
  • 「仲良し人事が嫌だから転職」は理由として十分。正当に評価される場所を選ぶのはキャリアの判断

正当に評価してくれる環境を、探してもいい

広告業界といっても、会社ごとに文化はまったく違います。評価制度がしっかりしている会社、実力で認めてくれる組織は確実に存在します。まずは「外の情報に触れること」から始めてみてください。転職しなくてもいい。相談だけでも、視界が開けることがあります。

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この記事を書いた人

はじめまして、やまとです。
広告業界で20年、営業から制作進行管理まで幅広く経験してきました。現在は、広告制作の現場で「効率」と「信頼」を何より大切にする進行管理として働いています。

進行管理のプロフェッショナルとして、現場全体をスムーズに回す調整力と段取り力には自信があります。「納期が間に合わない」「無茶な要求された」「もっと早く終わらせたい」──そんな悩みを抱える人に向けて、現場のリアルなノウハウを発信中です。

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