はじめに|”仲良し人事”が進行管理を苦しめる理由
広告業界・進行管理
上司とゴルフに行っただけの人がA評価で昇進……
「頑張っても無駄なのかな」って、最近本気で思い始めてます。
仕事の成果よりも「誰と仲がいいか」「誰に気に入られているか」で評価が決まる会社があります。それが、いわゆる“仲良し人事”です。
この理不尽さを、進行管理という立場はとりわけ強く受けます。なぜなら、僕たちの仕事は数値化しにくく、成果が見えにくいからです。「問題が起きなかった」「スケジュールが回った」——その貢献は、起きなかった事故のように、評価の土俵にすら上がらない。
仲良し人事はどこから始まるのか?
仲良し人事は、評価制度が形骸化した組織に根を張ります。評価シートは存在する。でも実態は、上司の主観で昇格・昇給が決まる。「なんとなく気が合う」「会食で盛り上がった」「ゴルフのスコアが良かった」——そういった理由が、業績評価と同等かそれ以上の重みを持つようになる。
これは、広告業界に限った話ではありません。ただ、クリエイティブという「感性」が重視される業界では、評価基準が曖昧になりやすい。「センスがある」「空気を読める」「現場の雰囲気を壊さない」——こうした主観的な評価が幅を利かせやすい土壌があります。
- 上層部が「自分のやり方を肯定してくれる人」を昇進させる
- 異を唱える人・改善提案をする人が”厄介者”として排除される
- 人は「成果より気に入られること」に注力するようになる
- 会議はイエスマンばかりになり、建設的な議論が消える
- 若手も「意見を言わず愛想よくしていればいい」と学習する
- やがてそれが会社の”文化”として定着し、変えられなくなる
一番怖いのは、「理不尽だ」と感じる感性が失われること。最初は違和感を覚えていた人も、長く在籍するうちに「これがうちのやり方」と自分を納得させるようになる。そしていつのまにか、自分が加害者側になっていく。
進行管理が特に「損をする」3つの理由
仲良し人事の被害を受けやすい職種は複数ありますが、進行管理はその中でも特に不利な立場に置かれています。
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1成果が「数字」で証明できない営業は売上という数値がある。デザイナーは作品という成果物がある。では進行管理は?「納期を守った」「トラブルを未然に防いだ」「誰も気づかないうちに問題を解決した」——これらは、うまくいったときほど見えなくなる成果です。問題が起きてから初めて「あの人がいないと困る」とわかる。それが進行管理の性質です。
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2「できて当たり前」と思われがち納品が間に合った。クライアントが怒らなかった。制作が動いている。——これらはすべて進行管理が機能していた証拠ですが、評価者の目には「普通のこと」として映ります。一方、問題が起きると即座に「誰がこの案件を担当していたんだ」と責任を問われる。うまくいっても評価されず、失敗すると槍玉に上がる。これが進行管理の立場です。
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3「地味な存在」として舞台裏に置かれやすいクライアントとの会食に呼ばれるのは営業。社内の称賛を浴びるのはデザイナーやコピーライター。進行管理は、プロジェクトが動いている間ずっと裏方です。人間関係の評価が重視される仲良し人事の組織では、「目立たない・愛想がない・おもしろくない」と見られやすいポジションでもあります。
体験談|僕が仲良し人事に感じた限界(実話)
ある年、僕は年間100案件以上の進行を担当しました。納期遅れゼロ。予算内達成率も高い。突発的なトラブルも、ほぼすべて表面化する前に処理していた。自分でいうのもなんですが、そのとき僕は本当にフル回転で仕事をしていました。
評価期間が来て、結果を見ました。「B」。
同じ時期、上司と毎週末ゴルフに行っていた営業担当がいました。成果で言えば、僕より下の数字だった。でも彼の評価は「A」で、翌年に昇進しました。
正直に言います。あのとき、本気で「この会社にいる意味があるのか」と思いました。悔しいというよりも、やるせなかった。「頑張っても報われない」という感覚が、じわじわと体の中に広がっていくのを感じました。
でも、そこで腐りたくなかった。腐ったら、何も残らない。そう思って、考え方を変えることにしました。
「正当に評価されないなら、自分で自分を評価しよう」
それから僕は、他人の評価軸ではなく、自分の中に”仕事の物差し”を持つようになりました。「今日、ミスをゼロにできたか」「クライアントの困りごとに先回りできたか」「次の案件に活かせる仕組みを残せたか」——会社に評価されなくても、自分の納得を最優先にする。そのスタンスに切り替えたことで、気持ちが少しずつ落ち着いてきました。
もちろん、簡単に割り切れるものではありません。でも、「報われない」と腐ってしまったら、そこから何も得られない。理不尽な環境であっても、自分の心だけは守る術を持っておくべきです。
仲良し人事の会社に自浄作用がない理由
「社長が変われば変わる」と思いたいところですが、年功序列で上がってきた社長は、すでにその文化に染まっています。外部の目線が入らない限り、組織は変わりません。表面上は平穏でも、中身は緩慢に崩壊していく。数字では見えないダメージが、確実に積み上がっていくのです。
仲良し人事に気づいたとき、取るべき行動3ステップ
「これは仲良し人事だ」と気づいたとき、いきなり転職を決断する必要はありません。まずは次の3ステップで動くことをおすすめします。
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1自分の仕事を記録・言語化するまず、自分が何をやってきたかを記録しておきましょう。「担当案件数・納期達成率・トラブル解決件数・コスト削減した事例」など、数値化できるものはすべてメモしておく。これは転職活動の武器になるだけでなく、自分の仕事の価値を自分で確認するためにも必要です。評価されない環境にいると、自己評価まで下がっていく。記録がそれを防ぎます。
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2外の世界で「自分の市場価値」を確認する今すぐ転職しなくてもいい。でも、自分が外でどう評価されるかを知っておくことは重要です。転職サービスに登録して求人を見るだけでも、「自分のスキルが欲しいと思っている会社がある」という事実がわかります。僕自身、マスメディアンの担当者に「その経験なら紹介できる会社があります」と言われて初めて、自分の市場価値を実感しました。今の会社の評価が絶対ではないことを、外の目線で確かめておきましょう。
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3「限界ライン」を自分で決めておく「あと何年いたら動く」「これが起きたら転職する」という自分なりのラインを先に決めておくことが大事です。ラインがないと、ずるずると居続けてしまう。「もう少したら変わるかも」「次の評価に期待しよう」と先延ばしにし続けて、気づいたら5年10年が経っている——そういうケースを何人も見てきました。腐った組織に長くいると、感性が麻痺していきます。自分を守るためにも、ラインを設定しておきましょう。
それでも、腐った組織で成長する方法はある
腐った組織にいても、自分さえ腐らなければ成長はできます。そのためには「自分軸」を持つことが不可欠。「今日も100%出し切った」と胸を張れるなら、成長は続きます。
僕が意識したのは、誠実な関係性の中で信頼を築くことでした。媚びるのではなく、相手の仕事を助けることで感謝される。そういう信頼は、いずれ評価にもつながります。評価制度が腐っていても、人間関係の信頼は別の回路で形成されます。
そして、進行管理という立場が培うスキルは、どんな業界でも通用する普遍的なものです。
- 無駄な会議を減らす提案力・現場の効率化を考える習慣
- 無理なスケジュールに”No”と言える交渉力・代替案を出す力
- 相手の立場を理解して物事を前に進める調整力・合意形成力
実際、僕が次の職場で評価されたのは、そうした”地味な力”でした。前職では見向きもされなかった工夫や提案が、新しい環境では「すごいですね」と言われた。それはスキルが上がったわけではなく、自分の力を正しく見てくれる人がいる場所に来ただけでした。
あなたの価値は、「場所」によって変わります。今いる環境で評価されなくても、それはあなたの実力不足ではありません。たまたま、その土壌が合っていないだけかもしれない。
【チェックリスト】転職か残留か、判断する7つの基準
以下に4つ以上YESなら、真剣に転職を検討してもいいタイミングかもしれません。
- ?自分の仕事の成果が適正に評価されていないと感じる
- ?評価の基準が不透明で、仲の良さで差がつく
- ?現場の声が上に届かない・届いても無視される
- ?優秀な人ほど辞めていく、または辞めたがっている
- ?管理職の感覚が古く、変化に対して鈍感
- ?「正論を言うと損をする」という空気がある
- ?3年後も今と同じ状況が続くと思うと、気持ちが沈む
おわりに|自分の感性を信じよう
「仲良し人事」は、個人の努力では変えられない構造です。「自分を変える」ことと「環境を変える」ことは、まったく別の話です。自分の仕事の質を上げることは自分でできる。でも評価制度を変えることは、一人の進行管理にはできない。20年やってきて、そこだけは正直に言えます。
だからこそ、自分の感性を信じてください。「あれ?」と違和感を覚えた自分を、無視しないで。
そして、「仲良し人事が嫌だから転職」は、理由として十分です。正当に評価される環境を選ぶことは、逃げでも甘えでもない。自分の価値を活かせる場所を探す、当たり前のキャリアの判断です。
進行管理という立場は、社内で孤立しがちだけど、全体を見渡せる唯一のポジションでもある。その目で、腐った構造を見抜けたなら、あなたはもう一歩先に進める。あなたのキャリアは、あなたのものです。
- 仲良し人事は「評価制度の形骸化」から始まり、やがて組織の文化になる
- 進行管理は特に損をしやすい——数値化しにくく、目立ちにくく、「できて当たり前」と思われる
- 仲良し人事に気づいたら「記録→市場価値確認→限界ラインの設定」の3ステップで動く
- 腐った組織でも、自分さえ腐らなければ成長できる——自分軸を持ち、誠実に信頼を築く
- あなたの価値は「場所」によって変わる。今の評価が全てではない
- チェックリスト4つ以上YESなら、転職を真剣に検討していい
- 「仲良し人事が嫌だから転職」は理由として十分。正当に評価される場所を選ぶのはキャリアの判断
正当に評価してくれる環境を、探してもいい
広告業界といっても、会社ごとに文化はまったく違います。評価制度がしっかりしている会社、実力で認めてくれる組織は確実に存在します。まずは「外の情報に触れること」から始めてみてください。転職しなくてもいい。相談だけでも、視界が開けることがあります。
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