進行管理の真髄は“早い情報連携”にあり|営業との日常連携でスムーズな現場運営を実現する方法

目次

はじめに

進行管理という仕事には、教科書どおりにはいかない現場感覚が求められます。
マニュアルだけでは対応できない「臨機応変さ」や「判断の早さ」が必要であり、
これは実際に経験を積みながら身につけていくしかありません。

その中でも、私が実感してきたのは
「情報を早く回す力」こそが、進行管理の生命線
だということです。

特に、営業からの情報をいち早くキャッチし、現場に適切な形で伝達する力。
これができるかどうかで、プロジェクトのスムーズさが劇的に変わります。

この記事では、私自身の経験をもとに、
営業との連携を高めて情報を早く現場に届ける方法
について、具体的に解説していきます。

進行管理に携わるすべての人へ、参考になれば嬉しいです。


進行管理に必要な「情報を早く回す力」とは

進行管理の役割は、プロジェクトをスムーズに動かすことです。
しかし、どんなに完璧なスケジュールを組んでも、情報が遅れればすべてが後手に回ります。

だからこそ、
「情報を早く、正しく回す」ことが何より重要
なのです。

ここで注意したいのは、
「100%確定した情報でなくてもいい」
ということ。

たとえば営業から「まだ確定ではないけど、こういう案件が動きそう」という話をもらったら、
それを現場に早めに伝えておく。

「確定してないからまだいいや」と抱え込むと、実際に案件が動き出したときに、
用紙がない、機械が空いてない、人手が足りない・・・と、
後手後手になり、スムーズな進行はできなくなります。

進行管理に必要なのは、
「完璧な情報」ではなく「先読みして動く力」
だということを、まず強く意識しておきましょう。


営業から早く情報をもらうために必要な日常連携

じゃあ、営業から早めに情報をもらうにはどうすればいいか?

答えはシンプルです。
日常から雑談レベルで営業と連携しておくこと。

「直近、どんな案件動きそう?」 「大体いつ頃動く感じ?」

そんな何気ないやりとりの中で、営業の頭の中にある“まだ企画段階”の案件情報を拾っていきます。

営業側も忙しい中、すべてを完璧に共有するのは難しいものです。
だからこそ、進行管理側から歩み寄る。

「情報を引き出しにいく意識」が大切です。

ここで大事なのは、
「お互い様」
という感覚を持つこと。

営業にとっても、進行管理が早く動いてくれることはメリットです。
「情報をくれたら助かる!」ということを素直に伝え、自然な連携を築いていきましょう。


伝える情報は取捨選択する

ここで気をつけたいポイントがあります。
「何でもかんでも現場に伝える」
のは逆効果だということです。

現場に必要なのは、
「今、どのタイミングで何を知っておくべきか」
を考えた上で伝える情報です。

たとえば、

  • いつ頃動きそうか
  • ボリュームはどれくらいか
  • 特別な仕様や注意点はあるか

このあたりを中心にまとめて伝えると、現場は動きやすくなります。

逆に、「あれもこれもまだ未定で…」と情報だけ押しつけると、
現場は混乱し、かえって準備がしづらくなります。

進行管理に求められるのは、
「情報を絞って、伝えるべき形に整える力」です。

現場が事前に準備できる状態を作る

早めに情報を回すことの最大のメリットは、
現場が事前準備できる
ことにあります。

例えばこんな流れです。

  • 案件が来そう→機械の空き状況を確認して押さえる
  • 用紙が大量に必要そう→発注の手配だけしておく
  • 内職が必要そう→人員にざっくり声をかけておく

これらを俯瞰して逆算で動いておけば、
本当に案件が動き出したときに、慌てることなくスムーズにスタートできます。

ポイントは、
電話一本でもいいから早めにアクションを起こしておくこと。

「まだ未確定だけど、こういう案件あるかも。
機械、空いてる?用紙すぐ手配できる?」

そんな一言だけでも、現場は大きく助かるのです。


スケジュールが組みやすくなる理由

事前に準備をしておくと、
スケジュール組みが圧倒的に楽になります。

なぜなら、

  • 現場の稼働状況を把握できている
  • 必要資材が確保できている
  • 必要人員も事前に押さえられている

からです。

実際、私がこうした事前準備を徹底していたときは、
どんな急な案件でも「よし、すぐスケジュール組める!」という自信がありました。

逆に、情報が遅れた場合は…
調整に時間がかかり、
現場からは不満が出て、
営業からは急かされ、
自分もストレスを抱える羽目になります。

情報の早回し=未来の自分を助ける行動
だと、実感できる瞬間でした。


情報が変わった時こそ信用を積み上げるチャンス

進行管理をやっていると、
「さっき言ってた案件、無くなった!」
ということはよくあります。

こういうとき、
すぐ現場に連絡することが何より重要です。

「さっきの件、無くなりました。
すみません、また動きそうならすぐ連絡します。」

たったこれだけですが、
この一報を入れるだけで、現場からの信用はグッと上がります。

さらに、

「今回は無くなっちゃったけど、次また案件あるからよろしくね」
「埋め合わせできるように、何か別件あったら優先するよ」

そんな気遣いまでできれば、
進行管理としての信用は飛躍的に高まります。

現場は「無駄な動きになった」とは思いません。
むしろ
「進行管理がちゃんとフォローしてくれてる」
と感じ、次も協力してくれるのです。


進行管理は発注側だが「協力してもらう立場」

忘れてはいけないのは、
進行管理は発注者でありながら、協力者に支えられている立場
だということです。

現場、協力会社、内職スタッフ…。
自分ひとりでは何も完結できません。

だからこそ、
「やってもらって当たり前」
という態度ではなく、
「協力してもらってありがとう」
という気持ちを持つことが大切です。

この意識を持って接していると、
自然と周囲も気持ちよく動いてくれます。

逆に、発注側の立場を振りかざしてしまうと、
少しずつ現場との間に溝ができ、
いざという時に協力してもらえなくなります。

進行管理の本当の実力とは、
「普段からの信頼貯金」
に他なりません。


まとめ

進行管理という仕事は、テクニックや知識だけではうまくいきません。

  • 営業と日常から連携を取ること
  • 情報を早く、現場に必要な形で伝えること
  • 事前準備を徹底し、トラブルを未然に防ぐこと
  • 仕事が流れても、すぐフォロー連絡を入れること
  • 協力してもらっている感謝を忘れないこと

これらを地道に積み重ねることで、
スムーズな現場運営と圧倒的な信頼
を手に入れることができます。

進行管理は「段取り力」「信頼関係」がすべて。

今日からぜひ、目の前の小さな連携を大事にしてみてください。
必ず、未来のあなたの武器になります。

この記事を書いた人

はじめまして、やまとです。
広告業界で20年、営業から制作進行管理まで幅広く経験してきました。現在は、広告制作の現場で「効率」と「信頼」を何より大切にする進行管理として働いています。

進行管理のプロフェッショナルとして、現場全体をスムーズに回す調整力と段取り力には自信があります。「納期が間に合わない」「無茶な要求された」「もっと早く終わらせたい」──そんな悩みを抱える人に向けて、現場のリアルなノウハウを発信中です。

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