広告業界で進行管理になるには?営業から転職するのが現実的な理由

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「進行管理として広告業界に入りたい」と思ったあなたへ

広告業界に興味がある方の中には、「制作進行管理として働いてみたい」と思っている人も多いと思います。
でも実は、進行管理というポジションは、未経験でいきなり就くにはハードルが高く、求人も少なめ。
しかも、同じ会社内で営業から進行管理へ異動するのも、現実的にはかなり難しいケースが多いんです。

私は広告業界で20年働いており、営業を5年、その後は進行管理として15年のキャリアを積んできました。
そんな私自身の体験や現場のリアルを踏まえて、「どうやったら進行管理になれるのか?」について、現実的な道をお伝えします。

この記事では、以下のような疑問に答えます。

  • 未経験から進行管理になるにはどうすればいい?
  • 営業から進行管理へのキャリアチェンジは可能?
  • 同じ会社で異動できないならどうする?
  • 実際にどうキャリアを積んできたのか?

進行管理ってどんな仕事?初心者にもわかる基礎解説

まずは「進行管理」の仕事内容について簡単に説明します。
進行管理は、広告制作物(ポスター・パンフレット・WEBなど)のスケジュール、品質、コスト、納期を管理する役割です。いわば制作チームの司令塔。

具体的には以下のような業務を担当します。

  • クライアントや営業との打ち合わせ
  • 制作メンバー(デザイナー、ライターなど)への指示・調整
  • 印刷会社とのやりとりや納期調整
  • ミスやトラブルのチェック&対応
  • 全体の進捗管理

進行管理は、「人を動かす仕事」であり、「ミスを防ぐ最後の砦」とも言えるポジションです。
責任は大きいですが、その分やりがいや達成感も非常にあります。


進行管理は“信頼と経験”が求められる専門職

ただし、この進行管理という仕事は、実務経験と社内外からの信頼が何よりも重視されます。
なぜなら、進行の判断ひとつで納期がズレたり、印刷物が大失敗になるリスクがあるからです。

そのため、未経験で進行管理職に就けるチャンスは多くなく、求人でも「経験者優遇」がほとんど。
企業側も「進行管理は社内の柱」と考えているので、軽々しくポジションを空けることはありません。


【重要】同じ会社で営業から進行管理に異動するのは難しい理由

「じゃあ、まず営業で入って、あとから進行に異動すればいいんじゃないの?」
そう思う方も多いでしょうし、私自身も最初はそう思っていました。

しかし現実には、同じ会社内で営業から進行管理に異動するのは簡単ではありません

理由は以下の通りです:

理由1:社内で「営業=営業、進行=進行」と分業されている

多くの広告会社では、営業と進行は明確に役割分担されていて、部署間の異動は稀です。
「それぞれの専門職」という認識が強く、あえて未経験の人を進行に異動させるより、外部から経験者を採用する傾向があります。

理由2:営業は営業で常に人手不足

会社にとって、営業は売上の最前線。だから「戦力の営業社員を手放したくない」と考える上司も多く、進行希望を出しても通らないことがほとんどです。

理由3:進行の仕事は「信用第一」なので社内でも慎重

進行管理は、1つのミスで全体が止まる“リスク管理”の職種。
そのため、実績や信頼のない社員にいきなり任せることに、現場の進行管理側が抵抗を示すこともあります。


営業から進行管理になる、現実的なルートとは?

そこで現実的な選択肢が、「営業で広告業界に入り、次の転職で進行管理職を目指す」というルートです。

私自身、このルートを辿りました。
広告未経験から営業として業界に入り、5年間で業務フローや印刷の基礎を学び、別の会社に転職して進行管理としてキャリアチェンジしました。

このステップが、なぜ最も確実なのか?その理由は以下の通りです。


理由1:営業で現場を理解できる

営業職は、クライアントとのやりとりに加えて、制作・進行とも密接に連携するポジションです。
つまり、現場の流れや用語、進行管理の仕事の本質を、肌感覚で学べる環境にいるんです。

私も営業時代、見積もりや印刷手配、デザイナーとのやりとりを通して、進行管理の業務を少しずつ覚えていきました。


理由2:実績を積めば、転職時に「制作理解のある営業」として評価される

進行管理の求人は少数精鋭ですが、「制作進行を理解した営業経験者」は、非常に重宝されます。
企業側から見ても、「現場のリアルをわかっている人」は即戦力候補として見られやすいのです。


理由3:社外なら職種チェンジしやすい

同じ会社では難しい職種変更も、転職なら可能です。
私自身、営業→進行管理の転職をしたとき、面接で「営業時代に進行と連携していた経験」を強くアピールしました。
その結果、「即戦力ではないけど、育てたら伸びそう」と評価され、進行管理職での採用が決まりました。


【実体験】営業から進行管理へ転職した私のキャリアステップ

私が広告業界に入ったのは、20代後半。まったくの未経験で、飛び込み営業のような毎日でした。
印刷や制作の知識もゼロからのスタート。最初はチンプンカンプンでした。

でも、先輩進行管理やデザイナーと日々やり取りするうちに、「現場の流れ」や「印刷の基礎」、「クライアント対応の注意点」が徐々に分かってきました。
「進行管理の人たち、かっこいいな」「自分もこういう仕事がしたい」と思うようになり、少しずつ社内で印刷手配やスケジュール調整を自主的に担当。

そして5年後、思い切って「進行管理職」を募集していた別会社に転職。
今では、15年にわたり制作進行のプロとして働いています。


進行管理を目指すあなたへのアドバイス

進行管理になるために、まず営業職を経由するのは遠回りに感じるかもしれません。
でも、「現場理解+信頼構築」という2つのステップを踏むには、営業経験が一番の近道です。

次のステップで考えるとスムーズです。

ステップ1:営業として広告業界に入る

  • 未経験でも採用されやすい
  • 現場との関わりが深く、制作知識を自然と学べる

ステップ2:現場の進行管理と積極的に関わる

  • 印刷や納期調整、スケジュール管理を手伝う
  • 進行目線で業務を見るクセをつける

ステップ3:転職で進行管理ポジションに挑戦

  • 営業経験を「強み」に変える
  • 転職時には進行に関わった実績を具体的に伝える

まとめ:営業→進行管理が最も現実的なキャリアパス

進行管理は信頼と経験が求められるポジション。
いきなり未経験で目指すには難しく、同じ会社内での異動もハードルが高めです。

でも、営業職で広告業界に入り、現場感覚を身につけた後に進行管理へ転職するルートなら、チャンスは広がります。
私自身、この道を選んで、今では広告制作の中核を担う進行管理として充実した毎日を過ごしています。

「どうしても進行管理がやりたい」と思うあなたには、ぜひこのルートをおすすめしたいです。

この記事を書いた人

はじめまして、やまとです。
広告業界で20年、営業から制作進行管理まで幅広く経験してきました。現在は、広告制作の現場で「効率」と「信頼」を何より大切にする進行管理として働いています。

進行管理のプロフェッショナルとして、現場全体をスムーズに回す調整力と段取り力には自信があります。「納期が間に合わない」「無茶な要求された」「もっと早く終わらせたい」──そんな悩みを抱える人に向けて、現場のリアルなノウハウを発信中です。

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