「大手と中小」広告会社の違いとは?進行管理目線で見る働きやすさ

はじめに:広告会社の「規模差」が働き方にどう影響するのか?

広告業界を目指す人や、すでに業界にいる人がよく直面する疑問が、「大手と中小では何が違うのか?」という点です。特に進行管理という立場では、その違いが顕著に現れます。

本記事では、広告業界歴20年、営業・進行管理どちらも経験してきた筆者が、現場目線での違いと働きやすさをリアルにお伝えします。


第1章:業務分担の違い 〜大手は分業・中小は何でも屋〜

大手広告会社

  • 進行管理の担当範囲が明確
  • ディレクター、コピーライター、営業…役割が細分化
  • 自分の守備範囲に集中しやすく、ミスが少ない
  • ただし「歯車感」を感じる人も

中小広告会社

  • 一人で複数の役割をこなす(営業・制作・印刷管理など)
  • 成長スピードが早く、全体像を掴みやすい
  • 現場判断が求められるため、スキルが磨かれる
  • ただし、責任も重く、属人的な働き方になりがち

筆者は営業から進行管理に転身し、大手では「指示待ち」で物足りなさを感じ、中小では「自分で現場を回せる喜び」と「全責任のプレッシャー」を両方味わいました。


第2章:裁量とスピード感の違い

大手は稟議が多い

  • 制作物の変更一つにも複数承認が必要
  • 品質・ブランディングは守れるがスピードは遅い
  • 意思決定者が遠く、現場の声が届きにくい

中小は即断即決が可能

  • クライアントとの距離が近く、柔軟な対応がしやすい
  • その反面、属人化によるリスク(担当者不在で止まるなど)も
  • 意思決定が早く、スケジュール調整も自由度が高い

第3章:人間関係と社風の違い

大手は「組織」 中小は「家族」

  • 大手:部署ごとの文化がある。ドライだが業務に集中できる
  • 中小:距離が近く、良くも悪くも「感情」が影響
  • 人事評価や配属にも違いあり(大手は制度化・中小は属人的)

筆者は「仲良し人事」が苦手で転職を経験。中小の風通しの良さに惹かれたが、逆に「好き嫌い」で仕事が割り振られるリスクも体験しました。


第4章:スキルアップ・キャリア形成の違い

大手は「スペシャリスト」 中小は「ゼネラリスト」

  • 大手:1つの工程に特化したスキルが伸びる。研修制度が充実
  • 中小:全体を見渡しながら広く浅くスキルを習得。現場経験が武器に
  • 将来、フリーランスや異業種転職するなら中小経験が強みになるケースも

第5章:中小から大手へ転職したリアルな体験談

私自身、中小広告会社で一通りの業務を経験した後、大手広告会社に転職しました。中小で営業から制作、印刷進行まで全てを経験していた分、大手に入ってからは「なんでもできる人」として扱われました。

しかし、そこには思わぬ壁もありました。

大手には分業制が徹底されており、営業にも制作にもむやみに口出しすることが歓迎される環境ではありません。経験があるがゆえに見えてしまう課題や改善案にも、口を出しづらいのが正直なところです。

また、大手では年功序列の文化が根強く残っており、若手や中途入社よりも、生え抜きの社員が出世している傾向があります。中小で「できて当たり前」だった行動や判断力も、大手では自分の裁量外となることが多く、歯痒さを感じる場面が増えました。

上司からは「仕事ができる人」として認識されますが、それはあくまで補佐的な役割としてであり、主体的に仕事を動かすには組織構造の壁を感じるのが現実です。

それでも、中小で培った“視野の広さ”“推進力”“問題解決力”は大手でも高く評価されます。与えられた範囲が狭くても、そこにある問題を発見し、自ら解決まで持っていける力は組織に貢献します。

とはいえ、自分の仕事量や仕事内容に納得感が得られないこともあります。幅広く動ける自分にとって、狭い範囲でしか裁量がない環境は物足りなく感じることもあるのです。最終的には「何を基準に働くか」によって、この環境を良しとするか否かが分かれます。

  • 安定した環境で深く専門性を磨きたいなら大手
  • 裁量を持って幅広く動きたいなら中小

どちらも経験した立場として言えるのは、「どこに行っても自分の価値をどう活かすか」が重要だということです。


第6章:進行管理にとっての「働きやすさ」とは?

働きやすさの感じ方は人それぞれですが、以下のように分類できます:

働きやすさの基準大手広告会社中小広告会社
安定性・福利厚生
裁量・成長機会
チームの厚さ
全体把握力
感情的負担◎(少なめ)△(多め)

まとめ:自分に合う「会社のサイズ」を選ぼう

「どちらが良いか」ではなく、「どちらが自分に合うか」です。

進行管理という職種は、裏方ながら現場を動かす中心的存在です。だからこそ、会社の規模による特徴を理解し、自分にフィットした働き方を選ぶことが、長く続けるコツになります。


あとがき

中小から大手へ。両方を経験したからこそ、分かることがあります。どちらにも良さがあり、課題もあります。あなたが何を優先したいかによって、最適な環境は変わります。

この記事が、進行管理という仕事を通して、あなた自身の働き方を見つめ直すきっかけになれば幸いです。

大手か中小かで悩んでいるなら、まずは“情報”から動こう

ここまで、大手と中小広告会社それぞれの特徴や、進行管理としての働きやすさをリアルにお伝えしてきました。

結局のところ、どちらが正解というものではありません。
私のように「中小でなんでもやってきた人」が大手で評価されることもあれば、逆に「分業のやりにくさ」にモヤモヤすることもあります。

だからこそ、自分にとって何が大事なのか──
仕事内容なのか、裁量なのか、給与なのか、成長環境なのか。
それを知るためにも「外の情報に触れること」が重要です。

そんなときにおすすめなのが、広告・Web・マスコミ業界に特化した転職支援サービス【マスメディアン】

  • 広告業界出身のキャリアアドバイザーが在籍していて、話が通じやすい
  • 「この会社の進行管理は実際どこまで任されるのか?」など、求人票ではわからない情報も教えてくれる
  • 大手も中小も、あなたの希望に合った企業を比較しながら提案してくれる

私も転職時に相談したことで、自分では気づけなかった選択肢や可能性に出会えました。

\まずは情報収集から始めてみませんか?/
👉広告・Web業界の各職種や広報・マーケティング担当の求人多数!
迷っている時期こそ、動くチャンスです。
今すぐ転職しなくても大丈夫。相談だけでも、きっと視界が開けますよ。

この記事を書いた人

はじめまして、やまとです。
広告業界で20年、営業から制作進行管理まで幅広く経験してきました。現在は、広告制作の現場で「効率」と「信頼」を何より大切にする進行管理として働いています。

進行管理のプロフェッショナルとして、現場全体をスムーズに回す調整力と段取り力には自信があります。「納期が間に合わない」「無茶な要求された」「もっと早く終わらせたい」──そんな悩みを抱える人に向けて、現場のリアルなノウハウを発信中です。

コメント

コメントする

目次