無理はする、でも無茶はしない。未来志向の進行管理へ<第3回>

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変わりゆく時代の中で——「根性論」はもう通じない

かつて広告業界は、「無理をしてなんぼ」「根性で乗り切れ」という文化が当たり前だった。昔はそれで通ったかもしれない。でも今、時代は確実に変わってきている。

  • 働き方改革——長時間労働の是正が法的にも求められている
  • クオリティ重視の流れ——「速くてそこそこ」より「丁寧で正確」が評価される
  • メンタルヘルスへの意識の高まり——消耗し続ける働き方は続かない

ただひたすら無理を押し通すだけでは、人も、現場も、もうもたない。20年この業界にいて、燃え尽きていった人を何人も見てきた。才能も経験もある人が、無茶を重ねた末に消えていく。それが一番もったいないし、悲しいことだと思っている。


「無理」と「無茶」は違う——進行管理が線引きをする

進行管理が最初に意識すべきは、無理と無茶の違いをはっきりさせることだ。ここをぼやかすと、全部引き受けるしかなくなる。

✅ 無理
頑張れば
何とかなるレベル
❌ 無茶
頑張っても
誰かが壊れるレベル

「あと1日頑張ればいける」なら無理の範囲。でも「通常3日かかる工程を今日中に」は無茶だ。無理を重ねるのは、現場の努力。でも、無茶を受け入れるのは、現場の破壊だ。

📖 現場で線引きした瞬間

あるとき、クライアントから「今日の午後3時までに全修正を終わらせてほしい」と言われた。当時の残り時間は5時間。でも修正箇所は30点以上あった。計算が合わない。

そのとき初めて「これは無茶だ」と声に出して言った。「通常この作業量には2日必要です。今日できるのは優先度の高い10点までです」とはっきり伝えた。最初は押し黙られた。でも最終的には「わかった、優先順位を教えてください」という返事が来た。言えて良かった、と今でも思っている。

進行管理は、無理と無茶の境界線を見極め、無茶が迫ってきたら毅然と止める勇気を持たなければならない。

「お金で解決する」という発想も持つ

時には、どうしても納期を動かせない案件もある。そんな時は、「現場を犠牲にする」以外の手段を探るべきだ。

  • 特急料金を交渉して追加予算をもらう
  • 外部リソース(外注・スポットスタッフ)を活用する
  • 夜間・休日対応を正規に設定して対応する

「無理だから人を増やしてもらおう」「無理だから費用を上乗せしよう」——こういった考え方は、これからの時代にますます重要になる。現場の人間だけに無理を強いないための交渉力。それも、進行管理の大事な役割だ。

この発想を持てるかどうかが、若手と中堅の差だと僕は思っている。「どうにかして間に合わせる」だけじゃなく、「どうにかして間に合わせる方法を、お金や人という別の選択肢から探す」。それができるようになると、交渉の幅がまるで変わる。


このままでは、みんな潰れる

もし、無茶なスケジュールを当たり前に受け入れ続けたらどうなるか?

  • クリエイターは心身を壊す
  • 営業も板挟みで疲弊する
  • 結果的にクライアントも満足できない

つまり、誰も幸せになれない。無理を重ねるだけのやり方には、必ず限界が来る。そして限界が来た時には、取り返しがつかない。だからこそ、進行管理が声を上げなければならない。


進行管理が未来を変える

進行管理は、ただスケジュールを守る存在ではない。現場を守る。営業を支える。クライアントに本当の価値を届ける。そして、みんなが幸せに働ける未来を作る。

  • 無茶はしません
  • できないことはできないと言います
  • できる範囲で最高の結果を出します

「またこの進行管理と一緒にやりたい」——そう思ってもらえるような仕事を、一つずつ積み重ねていく。それが、未来志向の進行管理の姿だと信じている。

✅ 第3回のまとめ
  • 「根性論」の時代は終わった——燃え尽きていった人を何人も見てきた
  • 無理=頑張れば何とかなる。無茶=誰かが壊れる。この線引きが進行管理の仕事
  • 「お金で解決する」発想——現場だけに無理を強いない交渉力を持つ
  • 無茶を当たり前にし続けると、全員が不幸になる
  • 進行管理が「無茶はしない」と言い続けることが、業界の未来を変える

「無茶が当たり前」の環境から抜け出す選択肢

無茶なリスケが繰り返される現場は、個人の努力で変えるには限界があります。構造的な問題は、構造を変えないと解決しません。進行管理の働き方は、会社によって大きく違います。スケジュールに余白を持たせる文化がある会社、分業が整っていて無茶振りが少ない会社は確実に存在します。

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この記事を書いた人

はじめまして、やまとです。
広告業界で20年、営業から制作進行管理まで幅広く経験してきました。現在は、広告制作の現場で「効率」と「信頼」を何より大切にする進行管理として働いています。

進行管理のプロフェッショナルとして、現場全体をスムーズに回す調整力と段取り力には自信があります。「納期が間に合わない」「無茶な要求された」「もっと早く終わらせたい」──そんな悩みを抱える人に向けて、現場のリアルなノウハウを発信中です。

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