スケジュール崩壊のリスク。リスケが生むトラブルを防ぐ進行管理術


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スケジュールが崩れた瞬間に感じる現場のリアル

スケジュール通りに進まないことは、広告業界では日常茶飯事だ。
どれだけ丁寧に組んだスケジュールでも、
「あ、ごめん、ここズレた!」
たった一言で全てが狂い始める。

正直、何度も思った。
「またかよ……」って。

ズレたスケジュールを目の前にして、冷や汗をかきながら、
「どうリカバリーするか」
「どこを削ればギリギリ間に合うか」
そればかりを考える日々。

でも、ここで雑に動くと必ずミスが起きる。
焦った現場、ギスギスした雰囲気。
結果、誰も得をしない。


リスケジュールは甘くない。現実との闘い

リスケは簡単な話じゃない。
最初に取っていたスパンと同じ時間をもらえることなんて、まずない。

  • 「納期はそのままでお願い」
  • 「作業だけなんとか巻いてもらえない?」

現場を知らない軽い一言で、現実はどんどん厳しくなる。
一度縮めたスケジュールでリスケを飲んだら、
もう次はない。

何かトラブルがあっても、再リスケはほぼ不可能。
しかも、縮めたリスケに限って、またさらに追加で無茶を言われる。
この無限ループに、何度も胃がキリキリした。


短縮リスケが生む悪循環

一番しんどかったのは、
「前回これでできたよね?」
と軽く言われた時だ。

前回、死ぬ思いでなんとか間に合わせたのに。
あれは奇跡に近かったのに。
その無理を「当たり前」にされることほど、悔しいことはない。

こうしてどんどんスケジュールは圧縮され、
現場は疲弊し、品質は落ち、クレームだけが増えていく。

これが、無理なリスケを許してしまった時のリアルな末路だ。


営業・お客様への伝え方 ~共感しつつ、断る勇気~

リスケをお願いされる時、
ただ頭ごなしに断るだけではダメだ。

現場感を知っているからこそ、
「気持ちは分かる。でも危ない」
という伝え方をする。

たとえば、こんなふうに。

「僕らもできるだけ協力したいです。ただ、今回この期間で作業するとなると、細かい確認や微調整ができなくなる可能性があります。それでも良ければ進めますが、リスクについては共有させてください。」

ここで大事なのは、

  • 相手の立場を理解していると示すこと
  • でも、リスクをしっかり伝えること
  • あくまで冷静に、プロとして話すこと

営業もお客様も、全部無茶をしたくて言っているわけじゃない。
だからこそ、感情的にならず、でも譲れないラインは伝える。

それが、現場を守る進行管理の戦い方だ。


無理なリスケを飲んだ時にやるべきこと

とはいえ、どうしても無理を飲まなきゃいけない時もある。
そんな時は、無策で突っ込まない。

  • タスクを細かく分解する
  • 「ここは絶対削れない」作業を死守する
  • 最悪、どこを削るか事前にシミュレーションしておく
  • チーム内で役割分担をクリアにしておく

過去、何度もギリギリで納品したことがあるけれど、
うまくいった時は、リスクを先回りしてつぶしていた時だけだった。

焦ってから考えても遅い。
無理なリスケほど、「先手必勝」だ。

【まとめ】進行管理は現場の希望を守る仕事

進行管理は、単なるスケジュール屋じゃない。
ミスなく納めるだけでもない。

  • チームを守る
  • クオリティを守る
  • 現場の働き方を守る

そのために、無理なリスケに抗い、
無理を飲む時も先回りして動く。

そして何より、
「無理して間に合わせたことを当たり前にしない」
この文化を取り戻すことこそ、
僕たち進行管理にしかできない大事な仕事だと思う。

まとめページはこちら
【進行管理が広告業界の未来を変える】無理はする、でも無茶はしない働き方とは?

この記事を書いた人

はじめまして、やまとです。
広告業界で20年、営業から制作進行管理まで幅広く経験してきました。現在は、広告制作の現場で「効率」と「信頼」を何より大切にする進行管理として働いています。

進行管理のプロフェッショナルとして、現場全体をスムーズに回す調整力と段取り力には自信があります。「納期が間に合わない」「無茶な要求された」「もっと早く終わらせたい」──そんな悩みを抱える人に向けて、現場のリアルなノウハウを発信中です。

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